4月1日から商品等の価格表示が、消費税額分を含めた価格を表示する「総額表示方式」の義務化がスタートします。
総額表示方式の義務化は、2004年4月より実施されていましたが、消費税率を引き上げる際、2014年4月と19年10月の二度にわたる消費税率引き上げが決まっていたため、事務負担などへの配慮から、税抜価格のみの表示が特例として認められてきました。2021年4月以降は、その特例が廃止されるため、「総額表示方式」に戻ることになります。
基本的には従来の総額表示方式と同じですが、軽減税率の導入に伴い、同一の飲食料品につきテイクアウト等と店内飲食の双方を行う場合の価格表示に注意が必要です。
財務省では、次の3パターンを例としてあげています。
<異なる「税込」価格を設定する場合>
<「税込」価格を統一する場合>
異なる「税込」価格を設定する場合には、テイクアウト等又は店内飲食のどちらか片方のみの税込価格を表示し、もう片方の税込価格を表示しない場合であっても、消費税法第63条の総額表示義務には違反しません。
ただし、 店内飲食の場合には適用税率が異なるため、テイクアウ ト等の場合よりも店内飲食のほうが税込価格が高いにもかかわらず、店内の表示はテイ クアウト等の場合であることを明瞭に表示せず、その税込価格のみを表示 している場合には、一般消費者に店内飲食の価格が実際の価格よりも安い との誤認を与えてしまう可能性があり、不当景品類及び不当表示防止法第5条第2号の規定により禁 止される表示(有利誤認)に該当するおそれがあります。
お客様とのトラブル防止のためにも、テイクアウトにするか店内飲食をするかという顧客の意思表示により、異なる税率が適用され、税込価格が別途計算されることがあり得る旨を、メニュー表や店舗内の目立つ場所に掲示して、注意喚起を行うことが重要です。